「窮鼠はチーズの夢を見る」ネタバレ&解釈。同性愛者の僕が「BL」映画見てきたよ。

こんにちは!男の子が好きな男の子、なつきです。

今回は、同性愛者である僕が

「窮鼠はチーズの夢を見る」

感想や解釈を、書いていきたいと思います!

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(2021年1月情報更新)


それでは本題です。前半部に見どころやあらすじ、後半部にネタバレがあります!

まだ映画見てない人はおすすめしませんので、前半部分だけどうぞ!

最初に注意点です
僕自身は作品に関する知識0の状態で劇場に足を運びました。
一部間違え等あるかもしれません。個人の意見及び見解であることを、ご了承ください。



 

目次

「窮鼠はチーズの夢を見る」とはどんな映画?ネタバレ無し!

まずは映画のあらすじから!公式サイトに大まかなストーリが掲載されていました。

学生時代から「自分を好きになってくれる女性」ばかりと受け身の恋愛を繰り返してきた、大判恭一。
ある日、大学の後輩・今々瀬渉と七年ぶりに再会。「昔からずっと好きだった」と突然想いを告げられる。
戸惑いを隠せない恭一だったが、今々瀬のペースに乗せられ、二人は一緒に暮らすことに。
ただひたすらまっすぐな想いに、恭一も少しずつ心を開いていきて…。しかし、恭一の昔の
恋人・夏生が現れ、ふたりの関係が変わりはじめていく。

映画『窮鼠はチーズの夢を見る』公式サイト STORYより
https://www.phantom-film.com/kyuso/

…なるほど…笑
もとは、世間一般通り「異性愛」を繰り返してきたストレートの恭一。一方で同性に恋愛感情を抱く今々瀬

この二人の関係を軸に、物語が進んでいきます。

https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000Z6UO0

この映画を見て、僕なりに思う「見どころ」は、主人公・恭一の心の動きです。

今々瀬にも心が揺れ動くシーンがあるのですが、一貫して、恭一を想い続けていました。(七年間好きでいれたのだからすごいですよね…)

今々瀬とは対照的で、恭一の心の変化は大きいです。

世間的に見れば異性愛が「一般的」。恭一も例に漏れず、過去女性との交際をたくさん経験していました。

そんな人が、彼の人生における「イレギュラーな存在」を前に、心を開いていくのです。
その過程は、見ていて作品に引き込まれる思いでした。

作品全体としては、非常に「ゆーっくり」で大きな展開も少なく進んでいきます。

起伏の激しい映画ではない上、上映時間が二時間と少し長めなので、途中で退屈してしまう人もいるかもしれませんね。

しかしこの静かな流れの中にも、確実に、けれどゆっくりと大きく動く、恭一の心模様が繊細に描かれています。この点は非常に魅力的だと感じました。

これからご覧になる方は

ぜひ、こういった二人の主人公の機微に触れ、楽しんでみてください!



「窮鼠はチーズの夢を見る」の僕なりの解釈と感想。ネタバレ有り!

さて!ここからはネタバレ有りです。(まだご覧になっていない方は、ここでサイトを閉じていただくことをお勧めします。笑)

僕なりの解釈と感想です!

すでに映画をご覧になっている方は、このままお読みいただければと思います。

「チーズ」を夢見る鼠は誰? 結末はハッピーエンド?

僕はこの映画を「ハッピーエンド」だと考えています。

もちろん登場人物の視点によって結末の捉え方は異なるでしょう。

しかし、恭一視点でこの作品を捉えるのであれば、「ハッピーエンド」であったと考えます。

それは、恭一の「探し物」が、最終的に見つかるからです。

恭一は、ただの「クズ男」なのか…?

主人公恭一は、一般的に考えるといわゆる「クズ男」です。

結婚相手がいるのにも関わらず、勤務先の女性と身体関係を結びます。(不倫関係というやつですね。)

作中冒頭、恭一は探偵として仕事をする、今々瀬と遭遇します。今々瀬は恭一の妻の依頼で、恭一の身辺調査をしていた…それが判明するシーンですね。

https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000Z6UO0

その後お寿司屋さんのシーンでは

「妻との関係は大事にしたい。
でもそれとは…まったく別なんだ。」

と、身体関係のある女性への思いと、奥さんへの思いを今々瀬に伝えます。

「奥さんへの好き…は、なんとなく、ではないんですか?」という今々瀬の反応は、非常に印象的でしたね。

後から考えるに、今々瀬の表情は、恭一に「大学時代から何も変わらないですね……」とでも言いたげな表情でした。

https://www.phantom-film.com/kyuso/

その後も恭一は、女性との関係を改めることはありませんでした。

不倫相手の女性の家に足を運んでいるところを、探偵である今々瀬に問い詰められます。

「いや…まだ三回しか家には来てないし…
妻には伝えないでほしい」

そう、恭一は訴えるのです。

この発言から「うわ、こいつクズじゃん…」と思った方もいるでしょう。笑 

しかし、彼の人物像を単純に「クズ男」と判定してしまえば、その後の彼の機微には触れられなくなります。

この映画を見て「恭一まじ最低じゃんw」という感想しか抱かなかった場合は残念です…

行動から彼を判断・評価するのではなく、どうしてそうした行動に至ったのか、に焦点を当てると、彼の人物像は大きく異なって見えます。

その後、恭一は今々瀬の押しにながされ、快楽に溺れていきます。

一方で、奥さんとの関係を保つため、買い物や食事に誘います。

しかしそこで衝撃的な展開になります。奥さんにもまた、「別の男性」がいました。

奥さんが泣きながら「気づかなかった?」と告白するシーン…

「恭一は自分のことを、やっぱり見てくれていなかった…」

そんな気持ちがあったのかもしれません。




恭一が求めていたものとは? それは「心から誰かを求める気持ち」。クズ男が探す、探し物。

そんな恭一が求めていたものとは、「心から誰かを、求める気持ち」だと思います。

それは相手を必要とする思いです。

これは僕の憶測と解釈なのですが、彼にはこの「誰かを求める気持ち」が欠如していたのだと思います。

「誰かを求める気持ち」をなかなか知ることができない。

故に誰かから求められた時、その気持ちの強さに圧倒され流されてしまう。

それは相手を傷つけたくないという、彼の持つ優しさがわざわいしています。

(ここでは非常に中途半端な優しさと言えるでしょう。)

結果として相手を傷つけることになる、というのに、恋愛関係を進めてしまうのはとても残酷でした。

補足!(読み飛ばしてただいてもかまいません。)

ここで描かれる彼の姿は、現代の恋愛観をよく表しているように思えます。

「何歳までに結婚し、子供を授かるのがいい。そしてその頃にはマイホームを購入する…」

そんな人生のモデルケースには非常に大きな影響力があります。

例えば、「やばいもう結婚適齢期すぎちゃうよ」…なんていう焦りを、
多くの人は感じるのではないでしょうか。
彼もまた同様に、こうした人生のモデルケースを、漠然となぞろうとしたと考えます。

「何歳までに結婚しておけば安泰だから……」という意識。
加え、とりあえず「好き」と思える人はいるし…と思い、
恋愛関係を進めようとしたのではないでしょうか。




恭一が求めていたのは身体?「セックスシーン」の意味

彼について考えるには、「セックスシーン」が非常に重要な役割を担います。

というのも、彼はこの性的欲求と、「心から誰かを求める気持ち」を混同していたからです。

 

性的に誰かを求める気持ちが、「誰かを求める気持ち」なのではないか……」

 

そんな風に思うからこそ、元の奥さんとは別に、身体関係を持ちつづけ、自分の気持ちを確かめようとしていたのではないでしょうか。

それとは大きく異なるのが、今々瀬とのセックスシーンです。

彼とは、彼の押しの強さから「多少のこと」はしつつも、「性的な欲求」から入った関係ではありませんでした。

成り行きではありつつも彼と生活を共にしているうちに、徐々に二人の距離が縮まっていくのです。

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屋上で仲睦まじくいちゃいちゃしてるシーン……見ていて本当に素敵でした。

恭一があそこまで笑顔でいちゃいちゃするシーンは、劇中今々瀬とのシーンだけなんですよね……。

しかし恭一の元同期「夏生先輩」との一件や、彼の部下との一件により、今々瀬との距離が離れてしまいます。

そして恭一は部下との生活をはじめ、婚約をするのでした。

 

それでも恭一は、相変わらず「誰かを求めること」の意味を知らずにいました。

婚約者との関係もぎくしゃくしだし、結局はまた、今々瀬と体を重ねるのです。

この中で、今々瀬が恭一の元を去る前夜のセックスシーンは、とても印象的でした。

身体を重ねたあと、恭一は「一緒に住まないか」と今々瀬に持ちかけるのです。

このように告白した彼は、今々瀬との関係の中で、徐々に「誰かを求めること」の意味を知っていったのだと思います。




今々瀬との関係から、答えを見つけ出す恭一。

劇中、このことが察せられるシーンがいくつかあります。

中でも大事なシーンが、恭一がゲイバー(クラブ)を訪れるシーンです。

これは今々瀬との距離が離れてしまった際の出来事でした。

初めて見るゲイの世界に圧倒されつつ、彼は店の奥で、思わず泣き崩れてしまいます。その向かいでは、一組のゲイが濃厚に絡み合っていました。

彼はおそらく、劇中冒頭、妻以外の女性とセックスをするように、男性に対し身体を求める感情が芽生えるかどうか、確かめたのだと思います。

しかし、そうではありませんでした。

ここで彼は、今々瀬への思いが、身体を求める思いに由来した気持ちではなく、真に「誰かを求める」感情であったことに気づかされます。

彼は、涙を流しながらクラブ会場を後にします。

ようやく恭一は、今々瀬への想いに気づくのでした。

 

もう一つ印象的なシーンがあります。それは、恭一と今々瀬、二人が海辺で話すシーンです。

https://www.phantom-film.com/kyuso/

車に座り、

「本当に誰かを好きになる気持ちが、あなたには分からない。」

「好きな人はなにもかも例外になってしまう……。」

そんなことを、今々瀬は恭一に話します。

しかし、彼は「わかるよ」と言うのでした。

これは、恭一が「誰かを求める」感情を知ることができた、ということを示していると思います。

誰かを求める思いに気づけた恭一。好きだった相手を失った今々瀬。

https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000Z6UO0

こうした流れで、恭一は最終的に「誰かを求める気持ち」を知ることができました。

それは今々瀬との関わり合いの中で見つけることができたものです。

彼の視点でいえば、探し求めていたものが見つかるという良い結末だったのかもしれません。

一方で今々瀬にとっては、少し複雑なものです。

彼は、先の海辺のシーンで、恭一が「わかるよ」といった際、「あー!好きだったなー!」と、昔年の想いを海に向かって叫んでいます。

これは、恭一が、大学時代から好きだった「恭一」ではなくなってしまったことの現れです。

さらに、今々瀬が出ていく前の晩、恭一に「一緒に住まないか」と言われた際、「あなたらしくないね。」と口をこぼしています。

彼は、昔のように「誰かを求めること」を知らない恭一が、好きだったのかもしれません。

今々瀬は恭一からもらったライターを捨て、恭一の元を去るのでした。

劇中、「なんで俺なんか好きなの?もっといい人いるだろ…」との旨を言う恭一に、「誰しも完璧な人を好きになるわけではない!」とそんな風に言い放った今々瀬の姿が浮かびます。

お寿司屋さんでの今々瀬の印象的な一言も、「恭一が好きになった当時と今だ変わらず、安心した」そんな表情だったのではないでしょうか。

ライターと灰皿。恭一の椅子。

さてここまで映画の主な解釈を僕なりに述べてきましたが、他にも劇中印象的だったのが、小道具の使い方、です。

好きだった人からもらったものは、やはりずっと大事にしておきたいもの。ライターは効果的に今々瀬と恭一を繋ぐものでした。特に、ライターの元の所有者は恭一の元カノ、という点に唸ります。

片思い相手の元恋人の所有物…僕だったらもらいたくないです。笑

でも今々瀬は大事に持っていました。それはやはり「クズ」な恭一が好きだった、という思いの表れかもしれません。

もしかしたら、今々瀬がたばこを始めたのも、恭一の影響かもしれませんね。笑

それから何といっても、恭一の部屋にある椅子です。今々瀬が度々座っていましたよね。(座り方がデスノートのLか何かですかと思ってました。笑)

https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000Z6UO0

一度だけ恭一の婚約者が座ったのですが、すぐ「おいで」と言って椅子から離れさせています。

彼にとってその椅子は、今々瀬と重なる大事なものだったのかもしれません。

 

映画のラストシーン、恭一は机に、今々瀬の持っていた灰皿を置き、例の椅子に腰をかけます。

誰かを求める気持ち…「本当の恋」を知れた恭一は、その後も今々瀬の帰りを待ち続けるのでしょう。

 




まとめ!「窮鼠はチーズの夢を見る」はおもしろい。

https://tsutaya.tsite.jp/item/movie/PTA0000Z6UO0

ここまで読んでいただきありがとうございました!

本記事は僕なりの解釈なので、あくまでも一意見として捉えていただけたらと思います。

みなそれぞれいろんな解釈をするのが、映画の醍醐味ですもんね。笑

「窮鼠はチーズの夢を見る」を僕は前情報なしで見たのですが、なんともすごい映画でした。

役者さんたちの表情とストーリー、全部が相まって、とても濃い映画だったと思います。

僕自身もパートナー(彼氏さん)がいる身なので、マイノリティ当事者として、今々瀬と近しい立場で映画をみることができました。

また僕にもストレートである男性を好きになってしまった経験が、高校時代にあります。

痛いほど誰かを好きになってしまう(好きになっちゃいけないのに…)気持ちには、非常に共感できました。

そしてこの作品は、恭一の苦しさも、秘めているものだと感じます。

多くの女性、そして今々瀬を振り回す存在であり、「どこが苦しいんじゃw」とのツッコミもあるかと思いますが、

「誰かに求められたい」けど求められない苦しさも

「誰かを求めたい」けど求められない苦しさも、

同様に苦しいものです。

彼は後者の苦しみを持ち続け、自分が愛せる人を、夢見ていたのではないでしょうか。

 

誰かを好きになるということって、何なんだろう。

この作品のテーマは、やはりここにつきると思います。

当然のように、誰もが誰かを好きになる。

でも、誰も、好きになるということの明確な意味を答えられない。

そこに、誰かを「好き」になることの危うさがある……。

改めてこの映画について考えた時、このような思いが浮かびました。

恋愛感情って難しいですよね。何をもって、「本当の恋」と言うのでしょうか。

主人公恭一が迷ったように、誰しも迷い戸惑うのが恋なのかもしれません。

彼の場合は、「誰かを求める気持ち」に戸惑っていたと解釈しています。

みなさんは、性的欲求で相手を求める気持ちと、真に相手を求める気持ちの線引きって、できますか?

時に、熱情にかられ激しく身体を求めてしまう思いが生まれることもあるでしょう。

でも、それは性的欲求に由来するものなのでしょうか。

人の感情は、曖昧で、複雑です。

迷いに迷ったとき、本当の答えを理想として夢見る僕たちも、

きっとチーズを夢見る、窮鼠なのかもしれませんね。



最後に!

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そして原作はこちら↓

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以上です!また別の記事で……ばばい!

 

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