アクセスありがとうございます。
ここでは、僕のLGBTQに関する発表の補足をしていきます。
まず、自分の性の在り方全般を、「セクシュアリティ」と言います。 そして、この性の在り方が、多くの人とは異なる人を総称して 「セクシュアルマイノリティ」といいます。
また余談にはなりますが、僕個人の経験などは別の記事にまとめています。興味があればこちらもどうぞ。
https://www.amasawa.blog/%e7%8b%ac%e7%99%bd%e3%80%80-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%b0/
〇前提、よく聞く「LGBT」とは?
- L(Lesbian)…女性が好きな女性
- G(Gay)…男性が好きな男性
- B(Bisexual)…女性、男性も好きな人
- T(Trance gender)…心と体の性別が一致しない人
〇ほかにもある!
- Q(Questioning)…自分のセクシュアリティが分からない人
- X(Xgender)…自分の性別が、男女の二つに括れない人、また流動性がある人。Transgenderに括られることもある。
- A(Asexual)…恋愛感情も性的欲求ももたない人
- N(Nonsexual)…恋愛感情はもつが、性的欲求を抱かない人。
…まだまだあります。笑
…んんん。多い!ようわからん!笑
実は「LGBT」とは当初、とある企業の広告用に、使われた用語だったそうです。(諸説あります。)
故に、たった4つしかセクシャリティを表さないのは問題では…とのことから、
「LGBTQ+」や「LGBTs」という言葉が、後から生まれました。
「LGBTQ」のQとは、Queerという言葉。これは、上記のような、LGBTとそのほかのセクシュアリティを総称した言葉です。
難しいですね…要するに、社会において多くの人とは異なる、性の在り方をする人、全般を指す言葉です。
〇アイデンティティカードの補足
さて、ここから今回私が用意したカードの補足に入ります。アイデンティティカードとは、自分の性の在り方を知るための一つの「指標」です。

①体の性別
基本的に、戸籍に登録されているものを指します。加えて性分化疾患というものも考慮されています。性分化疾患とは、男性とも女性とも捉えられる体つきを、生まれ持っている方のこと。
それ以外にも、人によって異なるホルモンバランス等、ここでは考慮されています。
②心の性別
自分の性別が何なのか、という意思です。いわゆる「女性」「男性」以外にも
中間的な性別であったり、日によって移り変わることもあります。
③好きになる性別
これは文字通りです。「恋愛感情」を抱く対象を指します。
④恋愛感情の程度
誰かに対しどれくらい好意を持ちやすいか、という程度を表します。時期によって変わることもあります。また恋愛感情を持たないというのも、性の在り方の一つです。
(恋愛感情を抱くのが当たり前、というような風潮は、そうでない人の生き方を隠し てしまうように思えます。 今回カードにこの項目を入れたのは、こうした風潮に少しでも疑問をもつ人が増え、 誰かにとって生きやすい社会になればと、思ったためです。)
⑤表現する性別
自分が普段、どのような振る舞いをしているか、ということです。服装や口調等も含まれます。
⑥性的欲求の対象
文字通りです。性的欲求を抱かない場合、空欄にしておいても構いません。
⑦性的欲求の強さ
時期によって変わることもあります。また恋愛感情の程度と同様、持たない人もいます。
⑧理解度
自分のことについて、100%理解するのは難しいでしょう。あらゆる項目が、時期によって変わる、日によって変わるのも、性の在り方です。
自分のセクシュアリティについてわからない姿勢も、否定されるべきではないと考えます。
〇総評
ここまで、性の在り方の名前からカードの補足までをしてきました。カードを見てのとおり、全て数直線になっています。ひとりひとり、カードに現れる結果は異なるはずです。「自分はどういう人間なんだろう」と、改めて考える機会になればいいと思います。
また、自分はいったいどういう人間か、その答えがあると、安心しますよね。
LGBTやA、X、Qを含むその他の「名前」、加えて「女」「男」、という「名前」は、
その答えとしての役割があると思います。
もちろん、人の在り方はグラデーション。人それぞれ少しずつ違います。
「人はみな違うんだ!だから、そんな名前なんて必要ないじゃないか。
男、女なんて分ける必要ない!」
そうした意見もあるでしょう。しかし、自分という人間を定義する上で、名前は欠かせないものです。
残念ながら、今の日本社会は性の在り方において、
マジョリティとマイノリティが分断された構図になっています。
「LGBTQ」とそうでない多くの人たち、という構図です。
自分は「普通」ではない…では何なんだろう。
自分が何なのかわからない状態は非常に不安を感じるでしょう。
自分が何なのか分からなければ、自分の仲間を探すのもより困難になり、孤独に陥ります。
こうした時にこそ、名前は必要なのです。
しかし、名前があることは同時に、先の分断を発生しやすくしていると考えます。
名前のもとに安住し、知らない人には触れないでおく、という姿勢です。
同じ価値観を共有する中では、どうしても安住してしまいますよね。
こうした構図は、双方にとって良い社会と言えるのでしょうか。
今回はそうした思いがあって、「LGBTQをより身近に感じてもらうこと」を目標に
プレゼンを考えました。
ホテルで働く上で、様々なゲストやチームメンバーと関りを持ちます。
例えば「うわ、ゲイカップルが来た…自分とは全然違う未知の人だ!」と思うのではなく、「男性同士と言えど恋人関係に変わりはないし…カップルに喜ばれるようなおもてなしをしてみよう!」と、寄り添って考えることができるのではないでしょうか。
どんな人がいても、柔軟に対応できるように。
どんな人にとっても、居心地のいい空間を作れるように。
それが僕個人の思うホスピタリティです。
自分らしくいれる場所は、その人にとっての居場所になります。
多くの人にそんな居場所を作ってあげられるような、ホテルマンになりたいです。
〇
LGBTQに関して、いろいろ知りたい!とお考えでしたら、『LGBTを読み解く クィアスタディーズ入門』がおすすめです。早稲田大学で教鞭をとられている森山至貴先生の本です。以下から詳細が確認できます。よければどうぞ。
また僕個人の経験については、こちらの記事で扱っています。↓
https://www.amasawa.blog/%e7%8b%ac%e7%99%bd%e3%80%80-%e3%83%97%e3%83%ad%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%82%b0/
〇注釈
・アイデンティティカードは、あくまでも一つの指標にすぎません。自分を知る上で参考程度にとどめておいてください。また、無理にこの数直線上に自分を当てはめる必要もありません。そして、人に見せることを、強要するものでもないため、見せたくない人のプライバシーを必ず尊重してください。
・もし、身近に「LGBTQかな?」という人がいても本人の意思を尊重しましょう。また本人の許可なく、当人の性の在り方を、他者に言わないようにしてください。
例えば「あの人ゲイなんだよー!」などと無断で打ち明けてしまうことを指します。これはアウティングと言います。まだまだ当事者が生きずらい世の中です。絶対にやめてください。当人の意思を大事にしてほしいと思います。(地域によってはこのアウティングが条例で禁止されています。)
・今回カード作成にあたって、「性の四要素」と呼ばれるものに、僕が独自に、項目を付け加えたものになります。また僕個人クィア学問の専門家ではないため、この記事は参考程度に読んでいただけたらと思います。