今回は、昨今話題になっている足立区議員、白石正輝氏の発言について扱います。
同性愛者として僕個人が思っていること、意見を書いていきます。
なお、以下「概要」にて、足立区議会本会議録画を確認いただけるページのURLを載せました。

あくまでも、僕個人の意見です。それを踏まえた上でご覧ください。
!本記事を要約すると!
LGBTQの法的な保護は、 少子化へ繋がる。 ⇒根拠に乏しい。 (相関関係が認められない。) 足立区は滅びません。 LやGは、本人の意思で 取捨選択できる在り方だ。 ⇒本人の意思で自由に選択はできません。 選択できるなら! 同性を好きになるなんていう生き方を 選ぶ人は少なくなるよ。 だって日本じゃ苦しいもん!!!!! 結婚できないし……。 子育ては楽しくてすばらしい! ⇒「※あくまで個人の意見です。」だろ? 主観的意見を押し付けるんじゃないよ!
〇概要。
https://www.gikai-adachi.jp/g07_Video_View.asp?SrchID=672
さて、問題に上がりました白石議員の発言は、このURLより確認いただけます。
足立区議会、本会議の様子が動画と、議事録によって残っています。
問題視されたのは、質問の前半部分。議事録でいうと、一ページ目です。

僕自身も、この録画の前半部分を確認しました。
議員として、区民に意思を伝えようとするところ、熱心な姿勢がうかがえました。
氏は、未来の日本、足立区の人口減少について危機感を募らせています。
未来の世代を意識した発言には、うなづけるところもあります。
それだけに、知識不足や認識のずれが「もったいない……」と感じた次第です。
議員に差別意識があったかどうか、は然程問題ではないと感じます
それよりも一議員として発言されるのであれば、主張する内容に誤った情報を入れるべきではないのでは?
と思ったのが素直な感想です。
〇「子供が減るからLGBTは保護されるべきではない」すでに何度も議論され尽くしているのに……。
このテーマはもう耳にタコができるぐらい、議論されつくされているものです。
過去同性婚やパートナーシップ制度が議論される際、こうした声が上がりました。
そしてLGBTの保護と少子化への相関性は認められていません。
先進諸国のうち、同性婚を合法化した国の出生率の増減は、国によって異なっています。
故に同性婚そのものが、直接的に少子化に関わるかというと、そうとは言えないのが現状です。
ちなみに、国際首脳会談、G7のうち同性婚が認められていない国は日本だけです。
こうした「LGBT⇒少子化」という論を展開している時点で、白石氏の発言ははなから瓦解しています。
(少子化という答弁内容でLGBTQを取り上げるのは不適切と考えられます。)

同性婚が合法である国の人口統計を見れば、「LGBT⇒少子化」という考えには疑問をもつと思うのですが……どうなんでしょう。
〇LGBTQへの認識のずれ
そして白石氏が間違った認識をしている部分は他にもあります。
それは、「LG=取捨選択できるもの」という考えです。
(本人の話し方をそのままに伝えるため、「L、G」という表記をしています。)
「L、レズと、G、ゲイが足立区に広がってしまえば…私たちの子供は1人もいなくなってしまう。
足立区議会 本会議より
性の多様性、性を尊重することは分かります。これを学校教育の中で取り上げるよりも、普通の結婚、普通に子供を産んで、育てることが人間にとって素晴らしく、本当に楽しいんだ、ということを伝えないといけない。」
まず、学校教育で性的少数者に関する教育をしたところで、性的少数者は増えません。
元々性的少数者でありながら、そのことに自分で気づけなかった人が自覚し、気づくだけです。
そして同性に対して惹かれる感情というものは、本人の意思で生じるものではありません。
自分のもつ、性にまつわる認識、セクシュアリティは自由に変えることができないものです。
故に、LGBTQを法の下保護することで、性的少数者が増えることにはなりません。
例えば、
異性に惹かれる人が、教育を受けるだけで同性に惹かれるか。
という問題。
仮に惹かれたとしても、その人ははなから、両性にひかれる性的少数者であった、というだけの話です。
そして、教育によって、そのことに気づくことができます。
自分自身について知ることができることは、大きなメリットになると考えます。
LGBTQとしての在り方とは、衣服のように取捨選択できるようなものではないのです。

あなたは恋愛感情をコントロールできますか?
誰かに対し、好きと思う感情は自分でどうにかできるものではありませんよね。
当然、このセクシュアリティへの認識の仕方には個人差があります。自分の意思でセクシュアリティや恋愛感情をコントロールできる人もいるかもしれません。
しかし、多くの場合、取捨選択できるものではないため、人工増減に直接関わることはありません。
〇必要以上な、結婚子供への過剰な美化意識。
さて、もう一点、白石氏の認識のずれがあります。
それは、結婚や子供を授かることへの過剰な意識です。
もちろん、誰かと結婚し、子供をさずかることは、当事者からすれば幸せなことかもしれません。
しかし本当に幸せかどうかは、本来であれば当事者の主観によって決められるものです。
(故にここでは、「幸せなことです」と断言することを避けます。)
その点を考えると、白石氏の
「普通の結婚、普通に子供を産んで、育てることが人間にとって素晴らしく、本当に楽しいんだ」
という主張は、彼の主観的意見に過ぎず、教育によって画一的に教えるには不適切であると考えます。
「幸せ」とは、当事者が感じる感情のことです。そのため主観的なものでしかありません。
故に、「結婚や子供を授かることが、「普通の幸せ」なんだ」という主張は、「幸せ」の強引な客観化にあたります。
「幸せの押し付け」を教育現場に持ち込むというのは、様々な問題を内包するでしょう。
〇日本ではどのように教育をしたらいいのか。
実は他国ではすでに、性教育の一環で、LGBTQ(セクシュアルマイノリティ)に関する教育を行っているところもあります。
自分のことに気づいていく、思春期。
その時期に合わせ、日本でも性教育が学校で行われますが、現状課題が山積みといったところかと思います。
例えば、LGBTQについて、「へーそういう人もいるんだ」というような紹介、では、実は足りなかったりします。
ではどうするか。それこそまさに、
「主観的に考えてみること」
だと考えます。
それは、自分の「幸せ」は、自分が感じるように、性に対する考え方も、その人の主観によって決められるからです。
例えば、
誰しもが、
自分の性に疑問を持ったり、
同性や両性、すべての性に惹かれたり
はたまた恋愛感情や性的感情を抱かない、
といったケースに、なるかもしれないね、といった教育です。
LGBTQへ「当事者意識」を持ち、主観的に考える機会があれば、自分のアイデンティティを容易に肯定することができると僕は考えます。

僕はほかの人とは違うんだ…と孤独になることも減るかもしれません。
誰しもが、なりうるものだ、と考えれば、多くの人にとって生きやすい社会になると考えます。

〇まとめ!
さて、今回は足立区の議員、白石氏の発言についてまとめました。
人口増減の問題に、LGBTQを持ち出すことには、いまだ明確な相関性が認められないので、不適切であると考えられます。
公的な場においては、情報の正確性に欠いてはなりません。区民に熱意を伝える、分かりやすい話をする、というのなら、正確な情報を提供することも、議員の務めではないでしょうか。
少子化については、もちろん喫緊の課題と言えるでしょう。
「子供を増やせー!」とは主張できないじゃないか!と白石氏は言っていますが
子供を授かることでも、幸せに生活することができる社会状況を整えることが、政治を担う人の責務ではないでしょうか。
〇最後に
ここまで本記事をお読みいただきありがとうございました!
普段は、同性愛者の僕があれこれいろんなことを書いてます!
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以上です!また別の記事で……ばばい!
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