
こんにちは。男の子が好きな男の子、なつきです。
見てきました!
「さんかく窓の外側は夜」
ホラー系ミステリー作品です。
今回は、同性も好きになる僕がこの映画の感想や解釈を書いていきます。
ちなみにこの作品の原作は、BLもの。
(作中では過度な表現はありません)
元から気になる作品でしたので、ここでレビューさせていただきます!
その他の映画について書いている記事はこちら
では。目次に引き続き、本題に入ります。
『三角窓の外は夜』とはどんな映画?ネタバレ無し!
『三角窓の外は夜』ストーリーは?
書店で働く三角康介(志尊淳)は、幼い頃から幽霊が視える特異体質に悩まされていた。
ある日、書店に除霊師・冷川理人(岡田将生)が現れる。「僕といれば怖くなくなりますよ」の一言で、三角は冷川と共に除霊作業の仕事をすることに。
そんな中、二人は刑事・半澤(滝藤賢一)から、一年前に起きた未解決殺人事件の捜査協力を持ちかけられる。調査を進める冷川と三角は、やがて自殺した犯人の霊と出会う。冷川が三角に触れると、犯行時の状況がフラッシュバックのように浮かび上がり、恨みがましい犯人の声が響く――
「ヒ ウ ラ エ リ カ に . . . . だ ま さ れ た . . . .」
犯人の霊を通して視た情報を元に、真相へと近づいていくふたりの前に現れたのは、呪いを操る女子高生・非浦英莉可(平手友梨奈)。
〈ヒウラエリカ〉とは何者なのか? 連続殺人事件との関係は――?
死者からのメッセージの謎を解き明かそうとする二人は、やがて自身の運命をも左右する、驚愕の真実にたどり着く…。
映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト (shochiku.co.jp)
映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト (shochiku.co.jp) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
心霊×ミステリー×弱BL の本作品。
霊が見える三角、霊媒師の冷川、そして事件のキーを握る女子高生、非浦。
主人公たちの繋がりが浮き彫りになる時、物語の真相とそれぞれの人間的変化…成長が垣間見れる、そんな作品です。
見どころは…!
『さんかく窓の外側は夜』平手友梨奈の新場面写真解禁 | cinemas PLUS © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
魅力的な俳優陣の演技と、映画を見ながら、主人公たちの関係や謎を解いていていく感覚。
そしてホラー映画としての面白さがあります。
やっぱりこうした映画は考えながら見るのが楽しいですね。笑
つまり、この一つの作品に、いろんな要素が詰まっているということです。
ただ純粋にホラー映画として捉えるのなら簡単ですが
霊的な恐怖だけでなく「人間味のある」葛藤や変化が窺えます。
そして、そうした登場人物の機微を繊細に表現しているのが、三人の魅力的な俳優陣。
岡田将生さん演じる冷川の、クールでありながらどこか子供じみた、人物像。
志尊淳さん演じる三角の、純粋に怖いと思う対象へと向き合っていく姿。
平手友梨奈さん演じる非浦英莉可の、巧みな表情、特に彼女の目力。
いかんなく発揮される彼らの演技は必見です。
『三角窓の外は夜』は、現在公開中の映画です。
まだの人はぜひ、劇場でご覧になってみてください!
詳細はこちら。
https://movies.shochiku.co.jp/sankakumado/
『三角窓の外は夜』の僕なりの解釈と感想。ネタバレ有り!

さて、ここからはこの映画を見た僕の感想や解釈を述べていきます!
ネタバレ注意です!この作品をご覧になった方は、ぜひ読んでみてください。
なお、当方原作は未読です。一部間違え等あるかもしれませんが、ご了承ください。
以下は僕個人の解釈や感想です。
みなさんが持つ解釈や感想を一番に大事にした上で、読んでいただけたら幸いです。
この映画のテーマは「恐怖」。冷川の「怖くなくなりますよ」というセリフ。
さて、まずは僕の思うこの作品のテーマについてです。
この作品に一貫してあるテーマ、それは「恐怖」だと思います。
この「恐怖」について、具体的に掘り下げていきましょう!
さんかく窓の外側は夜 – 日刊ゲンダイ北海道版 (hk-gendai.com) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
劇中冒頭、三角が「霊」に恐怖するシーンがあります。
それを見ていた冷川は本屋さんにて、自分のバディになるよう彼を勧誘するのです。
二人が初めて接触するシーン。
そしてこの時印象的だったのがこの言葉。
「僕と一緒にいれば、怖くなくなりますよ。」
このシーンで恐怖の対象として描かれているのは、幽霊その物ですが、
僕はこの「霊」に、もっと別の、本当の恐怖としての意味合いがあるのではないかと思います。
その意味合いこそ、この作品の持つテーマなのではないでしょうか。
恐怖の対象である「霊」。霊が暗示している物は?
結論から言うに、この霊が暗示している物とは、
「答えのない人生を、歩いていくという恐怖」
ではないでしょうか。
こう思う理由を、ここから述べていきます。
「答えのない人生」とは何か。

さて、非常に漠然とした僕なりの答えを、いきなり出してしまいました…笑
ちょっと混乱しますよね。笑
もう少しだけお付き合いください。
話が大きく膨らんでしまうのですが
自分の生き方に、何か一つの正解はないと思うんです。
もちろん、20代のうちに結婚して、30代で家庭を築き…なんていう
「人生のロールモデル」は確かに存在しますが、それが正解とは限りません。
しかし、多くの人はそのモデルをなぞろうとします。
それが絶対的な正解であるわけでもないにも関わらず、です。
それはきっと、
何か目標や目安がないと、自分で生き方を決めていくのは非常に大変で、苦しく怖いこと、
だからではないでしょうか。
絶対的な正解がなく、その目安も、目印もない。
そんな中を歩き続けるのは、光のない、暗い夜の闇を歩くのと同じです。
故に多くの人は、他の人と同じような「普通な生き方」をしようとするのだと思うのです。
ただ、本作の三人の主人公は、
そんな多くの人たちと同じような生き方が、できない人たちでした。
さんかく窓の外側は夜(映画)のあらすじや結末をネタバレ!三角の最後についても | MEDIA CITY (hmayshop.com)© 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
さんかく窓の「外側」の意味。「普通」にはなれない、三人の主人公。
自分だけ霊が見えるという特殊な力があり、そのせいで幼少期、周囲から疎まれていた三角。
彼は「普通」でいたい、と願っていました。
そしてその普通へと執着することで、霊に恐怖しながらも怯え、生きていたのです。
自分の力から目を逸らし、生きてきたとも言えます。
冷川や非浦も同じです。
特殊な力を持ち、宗教団体で神の子として崇められていた冷川。
記憶をなくし、過去の自分から目を逸らしていました。
同じく、宗教団体で教祖(先生)の指示を受け人呪い、生きていた非浦。
非浦のシーンは、特に「自分と同じような人(冷川や三角)に出会えてよかった。」と
告白するセリフがとても印象的でしたね。
この三人は、多くの「普通」な人と同じような生き方が
望めなかった人たちです。
生き方のモデルケース、光や目印があるような
人生を歩むことができる他の人とは違い、
彼らは暗闇の中で生きてきました。
僕は、この暗闇こそ、主題である「さんかく窓の外側」を表していると思います。
映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト (shochiku.co.jp) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
他人とは同じになれない、故に暗闇の中で生きる彼らの
恐怖をするもの…暗闇。
つまり、さんかく窓の外側にある、「夜」です。
そして劇中登場する「霊」の存在は、
三人が、「普通」に生きることのできなかった
要因とも言えます。
つまり、この作品で言う「夜」とは、
答えのない、目印のない、でも歩いていかなければならない「人生」を。
この作品の「霊」が暗示している物は、
そんな答えのない人生を、歩いていくという「恐怖」そのものを
示しているのではないでしょうか。
「僕と一緒にいれば怖くなくなりますよ」の真意。さんかく窓の内側で。
岡田将生&志尊淳が霊と対峙「さんかく窓の外側は夜」新写真、SNSに反響続々 – 映画ナタリー (natalie.mu) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
「さんかく窓」の外側に対するもの、それはその内側です。
劇中では、この「さんかく」は非常に重用されている「イメージ」の一つですが
自分自身が安全に入れる場所、結界のような意味合いがあります。
(実際に結界として使っているシーンもありましたね。)
この三つの角は、本作主人公の三人を表しているのだと思います。
劇中冷川は、三角に
「普通」じゃなくても、そんな自分だからこそできる生き方を示しました。
一方で三角も冷川に、誰かに力を尽くすことを示しつつ、記憶の中の冷川(幼少期の冷川)を救っています。
そして他人を呪うことばかりしていた、非浦は
こうした二人に出会うことで、救われていました。
三人が三人とも、それぞれの存在をきっかけに、自分自身の力や過去…人生に向き合っています。
霊という恐怖…自分の力や生き方に目を背けるのをやめ、
向き合うことで、それがやっと「恐怖」ではなくなる。
「僕と一緒にいれば、怖くなくなりますよ。」
この言葉の真意は、まさにここなのではないでしょうか。
結果、
お互いがお互いに暗闇の中で光る、一つの目印になり、それが彼らにとっての、暗闇の中の「居場所」になりました。
彼らは、お互いに補完し合っています。
冷川の言葉を借りるのであれば、これが、
「運命」ということでしょう。
イイニク!岡田将生&志尊淳『さんかく窓の外側は夜』焼肉シーンメイキング映像|シネマトゥデイ (cinematoday.jp) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
作中での「宗教団体」の持つ役割
さて、作中では冷川の古巣、そして非浦が所属していた場所として宗教団体がありました。
この団体における「先生」は、冷川と非浦を結ぶ役回りをしています。
「霊」というスピリチュアル的なものを扱う上で、宗教団体を用いることは
面白みのあるところ、ではあります。
かなりの「胡散臭さ」を表面に出している、そんな団体として描かれていました。
しかしこの宗教団体にも、無視できない意味合いがあります。
それは先に僕が述べた本作のテーマ、
「答えのない人生を、歩いていくという恐怖」
に通づるものです。
映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト (shochiku.co.jp) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
宗教とは、答えのない人生に迷う人々に対し、
ある一定の「答え」を示す存在であると考えます。
僕自身、何かの信者ではないので一概には言えませんが
迷い戸惑う人々を、導く存在として宗教はあるのではないでしょうか。
こうした意味合いであれば、本作におけるこの宗教団体は、かなり効果的な役割を持ちます。
当然、主人公たちとは異なり「普通」であっても、人生に迷うことはあります。
モデルケース、光や目印がある中、他の多くの人と、同じように人生を歩むことができても
迷ってしまう人たちはいます。
そうした人たちに対し、代わりに目印を与え、導くのが宗教です。
しかしそれは、他者から与えられた目印や生き方に他なりません。
結果として人生という暗闇、恐怖に真っ向から向き合い、
生きていくことにした主人公たちとは
非常に対照的な存在として、本作に厚みを出しているのです。
冷川の持つ、カレイドスコープの役割。なぜ冷川は呪いを受け、過去の記憶を取り戻せたのか?
Kaleidoscope | ‘Work Out’ each Day (wordpress.com)
劇中後半、最早ラスボスとも言えそうな空間…通称「貯金箱」の破壊を試みるシーンでは
冷川の過去が明らかになる重要な場面でした。
そしてそのきっかけとなったのが、禍々しく縦横に伸びる赤い糸に括られたもの…
唯一、母からもらったものである、カレイドスコープでした。
三角がこのカレイドスコープを引き抜いた途端、
「呪い」によって冷川は倒れます。
ではなぜ「貯金箱」の中で、冷川は呪いを受けたのでしょうか。
カレイドスコープは「貯金箱」の「核」。そして母の形見。
カレイドスコープは、幼いころの冷川が持っていたもの。
そして、宗教団体での凄惨な事件…信者のほとんどが殺傷された事件(幼少期の冷川の「呪い」が原因でした)
の際、スコープは「先生」によって盗まれています。
ここから推察するに、先生はこのスコープを核に「貯金箱」を作り出したことが、考えられます。
このカレイドスコープは、「呪い」を“爆発“させた幼少期の冷川の思いが詰まっているものです。
それだけに強力だったのでしょう。

「先生」が貯金箱を作った直接的な描写はないので、推察の域を出ませんが…
カレイドスコープは、三角によって引き抜かれます。
「貯金箱」の核を失ったために、そのストッパーが外れてしまったのでしょう。
その瞬間、あらゆる「呪い」が解放され、冷川にも呪いが発現。
記憶のシーンへと移りました。
おそらく、ここで呪いが解放されたが故に、記憶も冷川の内に戻ったのではないでしょうか。
そして同時に、冷川に呪いが発現したのは、幼少期起こした事件、
宗教団体全体を呪ったことへの、反動による呪いだったのかもしれません。
というのも、作中の「呪い」は、かけた本人にも返ってくることが明らかになっています。
刑事・半澤の妻を呪った非浦が、その後自身も呪いにかかり重症になるシーンもありました。
しかしここで問題になるのは、
「なぜ大人になった冷川に、幼少期の呪いの反動が生じたのか。」
ということ。
いくつか考えられる要素はありますが……
○幼少期
事件のショックで記憶を失う→呪いの原動力になる「思い」も消える
=その場での反動はこなかった。
○大人になって
貯金箱内で、スコープが外され「呪い」が解放される→記憶も戻る→呪いの原動力となる「思い」が思い出される
=反動がきた。
ということかと思います。
記憶と引き換えに幼い冷川を、スコープ(母との思い出)が、呪いの反動から守った、とも捉えられますね。
まとめ
映画『さんかく窓の外側は夜』公式サイト (shochiku.co.jp) © 2021 映画「さんかく窓の外側は夜」製作委員会 ©Tomoko Yamashita/libre
さて、ここまで僕なりに思うテーマ「答えのない人生を歩む恐怖」を軸に
自分なりの解釈を述べてきました。
いかがでしたか?
抽象度の高い、ふわーっとした解釈から話を進めてしまったので
読者を置いてけぼりにしてしまった気もします。(ごめんなさい。笑)
この作品では、LGBTQを主題としたものではないので
記事にするか迷いもありました。
しかし原作がBL寄りであることと、
そして社会で生きるマイノリティが、他の人と同じでいられない苦悩を
サスペンス、ホラーとしての「恐怖」と合わせて描かれていたので
個人的に記事にしたいと思い、まとめた次第です。
もちろん、再三述べてきていることではありますが
映画を見る人、一人一人に様々な解釈があります。
なので、何が解釈として正解かを問うよりも
そんな見方もできるんだ、というような発見になれば
僕自身とても嬉しいです。
みなさんも自分自身の解釈を、大事にしてください。
最後に
さて、本記事をご覧いただきありがとうございました!
今回扱った映画、「さんかく窓の外側は夜」以外にも、様々な映画の解釈をまとめています。
よければぜひ、ご覧ください!
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以上!また別の記事で…!
ばばい!