独白③ -同じような人-

今まで好きという感情を持ったことはあっても、ここまで誰かに影響されることはなかった。

あいつがいるだけで、毎日が楽しくも、辛くもなった。

何気ないメールの繰り返しでも、そのどれもが嬉しくて

夜寝る前、一通一通見返してから寝た。

「明日はもっと、あいつと話せるように。」

そんなことを願わなければ、眠れなかった。

 

自分が初めてここまで誰かを好きになっていることに気付いてから

同時に、現実を見ることにもなった。

自分がしている恋愛は、

初めから結果が見えていたんだ。

その先の結末は、当然、失恋だった。

 

本当はずっと、どこかで分かっていた。

でも、どこか期待してしまう自分がいた。

ありもしない望みを持ち続けることは、本当につらかった。

それと同時に、すごく惨めだった。

可愛い女の子の話を楽しげにしている彼の横顔が、見れなかった。

彼女作んないの?と笑いながら聞いてくる彼の顔も見れなかった。

俺のことなんて何も知らずに、

彼は当然のように優しく笑ってくれる。

でもそれが苦しくて、俺は笑うことができなかった。

馬鹿みたいだなぁ。なんで好きなっちゃったんだろ。

そうやってたくさん悔やんで、

学校からの帰り道、一人で泣いてたの覚えてる。

 

頼れる人は、いなかった。

こんな自分の、恋愛の相談ができる人なんて一人も。

男が好きな男なんて気持ち悪いに決まってる。そう思うと、誰にも相談できなかった。

自分が独りなんだって、初めて気がついた。

自分のことが、嫌いになった。

 

街中を歩いていても、学校にいても、家にいても、息がつまるようだった。

普通のカップルが、手を繋いで歩いてる。

小さい子供を連れた家族連れが、楽しそうにしている。

友達が、笑いながら恋バナをしている。

どこにも、自分と同じような人は居なかった。

 

それから同時に、自分の将来に絶望した。

もしかすると、自分は家庭を持つことができないかもしれない。

子供の顔も、両親に見せることができない。

これだけ、彼を好きになってしまったのだから、もう普通には戻れない。

女の子のことはまた好きになるかもしれない。

でも彼ほど好きになれるかというと、その自信は全くなかった。

 

ああ、もう2度と、普通の幸せにはなれないんだ…

 

その時、初めて死にたいと思った。

 

「独白④」へ続きます。

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