独白① 独りよがり

今からもう大分前の話。一番最初の話。

きっと色んな人が経験したであろう、遠い昔の、少しだけ青いとも表現されるような

そんな話。

「もし自分が、あの頃に戻れたのなら」なんていう誰もが一度は思ったような

それ自体平凡で、なんの特別性もない気持ち。

その裏腹

昔の思い出だけは、自分にとって特別で何にも変え難いものに思えてしまう。

結果、

誰にも理解されないような、独りよがりだけがここに。

独白

 



 

自分が高校生の頃

最初に好きになったのは男の子だった。

高校入学前、他のみんなと同じように

彼女ができて、放課後遊んだり一緒に勉強したり、そんなことを期待していた。

所謂高校生デビューってやつで

今まで通ったこともない、おしゃれなところで髪を切ってみたり

ワックスを使ってみたり、たくさん服を買ってみたり。

少しでも自分をカッコ良く見せたかった。

きっとこういうのは、誰にでもあることなんだと思う。

今までの自分を少しでも変えたくて。

周りに良く見られたくて。

あわよくば、可愛い子と付き合いたくて。

でも、最初に好きになってしまったのは

男の子だった。

そいつは高校生になって初めてできた、友達だった。

 

 

「独白②」へ続きます。

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