高校生の頃22 自分の将来と、再会

前回の話はこちらから。

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では、続きです。

 

久々に会ったあの日のこと

 

目次

再会

大人びること

受験が明けて、初めて彼と遊んだ。

最後にあったのが5月の始め。十か月ぶりぐらいだった。

久々に会えたのがうれしかったな。

受験期の予備校帰りとか、駅でばったり会えないかな、って探したりしてたぐらいだし。

 

久々に会った彼はもう高校生の彼ではなく、大学生の少し大人びた雰囲気があって、かっこよかった。

それにくらべ自分は…

お金ためていっぱい服を買おうと思いました。

 

 

この日遊んだのも彼の地元。

以前遊んだように、駅近くのショッピングモール等々、あてもなく話しながらまわった。

久々に会ったからまずは近況報告。

彼の大学生活についても聞いた。

その内の会話で、どういう経緯か覚えていないが

男女ってしっかり区別すべきだ。

男同士じゃ子孫できねーじゃん?という話題に。

これはちょっとへこんだな。彼は意外にもこういう考えでいる。

それでも自分の受験の報告をした時は、労ってくれた。

頭良い高校なんだからそこはいけるだろ~とか、そういう反応もせず聞いてくれた。

彼の人柄なんだと思う。

 

そのあと二人でサーティワン寄って、ダブルサイズを分け合うことにした。

近くのベンチにこしかけて一つのアイス食べる。

なんだかカップルみたいで恥ずかしくなったけど、うれしかった。

 

 

ショッピングモールを出て、外は寒いからとりあえず映画館へ行くも、特に見るものもなくそのままゲーセンへ。

丁度映画館でBL物の『同級生』というのがあったけど断念。(流石に言い出せない。笑)

ゲーセンに来ても結局見て回るだけか…とも思ったけれど、

「なんかとってあげるよ」

と、彼がクレーンゲームの前で言ってくれた。

なかなかうまくできねーんだな。あれ。難しい。

でもピカチュウのぬいぐるみがとれて、俺にくれた。

あとミュウのぬいぐるみもとれて、それは彼に。

とってもらう経験なんてなかったから

終始にやにやしてたと思う。

 

 

彼がとってくれている最中に、学生のカップルがいた。

彼女が彼氏にとってよーとねだっている。

そんな光景を見て、自分たちが普通のカップルのようなことをしてることに気づいた。

なんだか気恥ずかしい。

でも幸せな気分になれた。

 

一緒に遊べただけで

 

サーティワンでアイスを食べている時もそう。クレーンゲームをしている時もそう。

今思えば、普通に遊んでいるだけの瞬間であっても

とっても幸せな時間だった。

カップルではない。片思い相手だし、相手は男。

でも、そんな風に過ごせたことが自分の理想に少し近かった。

 

あー、でも多分違うな。

理想とかそういうんじゃなくて、普通のカップルとかそうじゃなくて、

ただ彼と遊んでいることが幸せだったのかもしれない。

久々に会えたこともあってか、ただそれだけのことが大きな幸せのように思えた。

ずっと会いたかったから。

 

 

 

今見ている景色と同じものを、この先も見ることができるのかな。

彼の地元で、何度か遊んだことがあるこの場所。

駅から歩いていくとスタバがあって、その奥には

昔彼がくれた、誕生日プレゼントのネックレスが置いてあるお店。

 

自分の数歩先を行く、後ろ姿

振り返りぎわに見せる横顔

「どうしたん?」と聞いてくれる声

 

いろんな景色の中で、いろんな彼を見て、

やっぱり、好きだな

って

何度も思った。

 

 

彼の手と、将来のこと

ゲーセンに行った後はカラオケに。

結局七時間ぐらいいたのかな?

最初は良かったけど最後の方はお互い声でなくて疲れちゃった。笑

久々に会ったんだし、じゃれるといか普段みたく絡みたかったけど、思ったほどできなかった。

膝枕とかしてほしかったな…昔みたいに。

でも時折手握ったりできたのは良かった。

彼の手の感覚とか、懐かしかったぐらいだった。

 

夜8時ぐらいになって、ご飯食べに行くことになった。

回転寿司に来て、カウンターの席に座り、色々と話した。

 

俺と接している中で、彼は素をだしてくれているらしい。

自分以外の他の人と接している時とは少し違うそうだ。

うまく言えないけれど、自分も前からそんな風に感じてた。

彼の他の人との接し方と、自分に対する接し方が違う。

自分に対しては、アホみたいにぼけたり、不思議なこと言ったり。

そういう所がなんだか子供みたいでかわいくて。

他の人にはそういうところをあまり見せていないような気がしていた。

こいつのかわいいところを見られる自分。

なんだか特別な気がしてうれしかった。

 

彼は教員免許をとろうとしていること。

一方で自分は、留学をする気でいること。

それから、オーストリアのウイーンにいる友達に、会いに行きたいと思っていること。

大学生になってからと、その先のこと、将来のことについて話した。

オーストリアの友達は彼とも共通の友人だったから、一緒に行こうと誘ってみた。

まだまだ先のことなんだけどね。

とにかくお金貯めなきゃいけないから確定ではないのだけれど、

せっかく海外に行くのなら、彼と一緒に行きたい。

一人で行くには寂しすぎる。

彼と旅行とかしたいって思ってるから、海外旅行なんてできたら最高だろうなぁ…

頑張って、実現させよう。

 

1日の終わりに

一日を通して色々な話ができた。時間も時間だから帰ることに。

ショピングモールやゲーセン、カラオケとご飯。

満喫できたと思う。

 

駅へゆっくりと歩いて行く途中、

次はいつ会えるのかな、次会った時はどんな話をするのだろう。

今日は楽しかったな。

なんて、そんなことを思っていた。

 

あ、そうだ。親にメールしないと。

 

「今から帰るね。」

「気をつけてね。」

 

遊びに行った時の、いつものやり取り。

でも、いつもと違う文面が続いていた。

 

「彼に告白はしない方がいいと思うよ。

今のまま友達のままでいた方が、私はいいと思う。

告白して関係性が壊れてしまうなら、その方が…」

 

駅まで続く道、その文面を見て思わず立ち止まってしまった。

 

「どうしたん?」

彼が振り返る。

「…なんでもないよ、大丈夫。」

 

親はなんでも知っている。

自分のことを思いやってくれる。

これが片思いでも、親は自分の味方。

 

でも、厳しい。

そんなこと自分が一番わかってるのに。

 

誰かを好きになること 

寒い中駅まで歩いてバイバイするときに、ハイタッチして解散。

いつものお決まりの流れ。

今度来るときは彼の家に泊まりたいな。

 

今回久々にあって感じたことは

やっぱり彼が好きだってこと。

そのせいで何度も悩むことだってあったし何度も泣いた。

それでも懲りずにこいつのことが好きなんだから、バカなのかもな笑

でも同時に、何度も嬉しいこと経験した。

小さな嬉しいこと、喜びとか幸せがたくさんあったと考えると、沈みかけていた気持ちが少し楽になる。

 

好きな人のせいで落ち込むし、幸せにもなる。

それが恋愛っていうものらしい。

でもいつか、そういう気持ちを共有できたらなって思う。

 

小さな幸せを、大きな幸せのように思える自分は幸せ。

泣いちゃうぐらいの好きな人に出会えた自分は幸せ。

片思いであっても、きっと幸せ。

 

最近ちょっとだけ、前を向けてる気がするんだ。

 

彼とわかれ帰路につく時、いつも胸の辺りが痛くなった。

でもこの時は違う。

穏やかな気持ちで、帰りの電車に乗った。

 

気持ちは変わらない。

でもなんだか少し、変われた気がした。

 

 

 

 

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